フィリピンのEEZ=排他的経済水域の内側にあるものの中国が実効支配を続けている南シナ海のスカボロー礁について、中国政府は11月10日、領海を示す根拠となる「領海基線」を一方的に発表しました。

これに対して、フィリピン国家海事評議会は12日声明を発表し、領海基線について「国連の海洋法条約の定める基準と条件に沿って適用されるべきだが、スカボロー礁はその条件を満たさない」と指摘し、「中国の発表は法的根拠を欠き効力はない」と非難しました。

その上で、フィリピン外務省は中国側に抗議しました。

フィリピンは11月8日、みずからの領海などの範囲を規定する法律を制定し、国際法の基準に沿った内容だと訴えていて、国際社会にフィリピンの主張への理解を呼びかけるねらいがあるとみられます。

中国 フィリピン側の対応に強い反発

中国外務省の林剣報道官は12日の記者会見で「中国とフィリピンの海をめぐる争いのエスカレートは、毎回、フィリピン側による挑発によって引き起こされている」と述べ、フィリピン側の対応に強い反発を示しました。

また中国メディアは、中国海警局がフィリピン側の挑発に対応するため、スカボロー礁の領海と周辺海域でパトロールを強化しているとして中国海警局の複数の船がスカボロー礁の周辺海域を航行したと伝えています。

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