台湾で頼清徳政権が発足したことを受けて、ことし9月に新しい駐日代表に就任した李逸洋氏は、11日、NHKの単独インタビューに応じました。
この中で李代表は、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返していることに対し、各国が懸念を表明しているとして「台湾海峡の現状を武力で変えることは許されないという共通認識が確立されている」と指摘しました。
そして、ことし7月に日本と台湾の海上保安当局の巡視船が初めて合同訓練を行ったほか、9月には海上自衛隊の護衛艦が初めて台湾海峡を通過したことに関連して、「台湾が日本とともに台湾海峡の平和を守っていけるようにしたい。こうした実質的な協力がさらに前に進むことを期待する」と述べました。
また、台湾の半導体大手、TSMCが熊本県に進出したことについて、日本と台湾の協力によってこの分野での競争力を高められるとした上で、「TSMCは世界の最先端半導体の90%を供給していて、中国が台湾を封鎖すれば世界が大きな損失を受ける。日米などと『民主主義の保護の傘』を広げ、地域の平和と世界の繁栄を守っていきたい」と述べ、経済安全保障面における連携強化の重要性を強調しました。
さらに、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ氏が大統領選挙で勝利し、台湾有事に際してアメリカが介入するか疑問視する声があることについては、「トランプ氏は、前の大統領任期中、台湾の防衛力の強化を支援してきた。アメリカとのパートナー関係はより深まっていくだろう」などと述べ、引き続きアメリカを後ろ盾として中国の圧力に対抗していきたいという考えを示しました。
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