東西冷戦の象徴だったベルリンの壁の崩壊から35年となる9日、ベルリン市内で記念式典が開かれ、ドイツのシュタインマイヤー大統領らが出席した。市民も多く参加し、壁の崩壊をきっかけに広がった自由や民主主義を守り続けると誓った。

  • 35年経っても「二級市民」 ベルリンの壁崩壊が残した教訓

 参加者たちは、あらゆる壁を崩していくという思いを込め、コンクリートの壁の隙間に赤や黄色のバラをさした。独裁政権下の旧東独から西ベルリンに逃げ、東側で抑圧された人々の亡命を助けたという、ハルトムント・リヒターさん(76)は「壁の崩壊で我々は自由を得た。世界では人々の自由を脅かす指導者は今もいる。彼らには任せてはおけない」と訴えた。

 ベルリンの壁は1961年、旧東独政権が市民の西側への亡命阻止などのために建設。89年11月9日、政権の旅行自由化措置の発表を受け、市民が検問所に詰めかけてゲートが開かれ、壁は壊された。翌12月の米ソの冷戦終結、91年のソ連解体へとつながった。(ベルリン=寺西和男)

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