自動車ショーで展示されたトヨタのMPV(4月下旬、北京市)

【広州=田辺静】トヨタ自動車の10月の中国での新車販売は、前年同月比0.4%減の17万2300台だった。9カ月連続で前年同月実績を下回ったものの、販売台数は2024年の単月ベースで最高となった。例年、新車需要が高まる年末に向け、今年春にモデル刷新した新型多目的車(MPV)の販売が伸びた。

合弁会社別では、第一汽車集団との「一汽トヨタ」が13.1%増の7万6000台、広州汽車集団との「広汽トヨタ」が6.3%減の7万8900台だった。高級車ブランド「レクサス」は18%減の1万5500台だった。

今年春に投入したMPV「グランビア」や「シエナ」の販売が増加した。春時点では、激しい価格競争の中で消費者はさらなる値下げを見込み購入を先送りする傾向があった。ただ、政府が新車の買い替えに補助金を支給していることもあり、需要期である年末にかけて新車購入の動きが活発になっているようだ。

一方、トヨタは足元の市場について「(電気時自動車といった)新エネルギー車シフトによって厳しい環境が続いている」との認識は変えていない。

ハイブリッド車(HV)を含む電動車は27.9%増の8万7900台だった。レクサスを含め31車種でHVをそろえ、品ぞろえの多さからHV販売が好調という。

1~10月累計の新車販売は、前年同期比9.3%減の141万2900台だった。一汽トヨタが5.5%減の61万3200台、広汽トヨタが15.2%減の63万3800台、レクサスが3.4%増の14万5100台だった。

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