【ワシントン=共同】米大統領選の不在者投票には、上空400キロ付近を飛行する国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する米国の飛行士も参加可能だ。航空宇宙局(NASA)の通信網を使って電子投票する。暗号化され、最終処理する担当者に届く。
ISSにはウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士が滞在中。ボーイングの宇宙船スターライナーの試験飛行で6月に到着したが、機体不具合で地球に帰れず、来年2月までの長期滞在チームに組み込まれた。ウィリアムズ飛行士はISS船長にも就任し、まれな「宇宙投票」の機会まで巡ってくる予定外ずくめだ。
NASAによると、宇宙から初めて投票したのは1997年、ロシアのステーション「ミール」に滞在していたウルフ飛行士。飛行士は訓練や業務のためジョンソン宇宙センターがあるテキサス州に住むのが通例で、地元議会が宇宙投票を法制化して可能になった。
一般有権者と同じく不在者投票の申請をすると、電子投票が可能になる。情報はNASAの衛星システムを経由してニューメキシコ州のアンテナへ。さらにジョンソン宇宙センターから居住地の郡担当者へ転送される。NASAは「通信網のおかげで、上空から民主政治に参加する機会も確保できる」としている。
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