【ニューヨーク=西邨紘子】米ホテル大手マリオット・インターナショナルが4日発表した2024年7〜9月期決算は、純利益が前年同期と比べ22%減り5億8400万ドル(約890億円)だった。売上高は62億5500万ドルと6%増えたが、事業買収に伴う特別費用や金利上昇による利払い負担などコスト増加を補いきれなかった。
販売管理費は前年同期と比べ15%増えた。支払利息も23%増えた。事業買収関連の特別費用や訴訟準備金も重荷となった。
収益力の目安となる一部屋当たりの売上高は3%増だった。地域別では米国・カナダが2%増で、その他の地域は5.4%増えた。欧州ではオリンピック関連の宿泊需要が伸びた。ただ、客室数の1割程度を占める中国(大中華圏)は8%減で、全体の水準を押し下げた。
マリオットのアンソニー・カプアノ最高経営責任者(CEO)は足元の需要環境について、9月末以降にそれまでは好調だったグループの旅行客需要が「前年同期比横ばい程度」(同CEO)に減速したと指摘。理由について「おそらく米大統領選によるマイナス影響だ」と説明した。
24年12月通期の業績見通しは、中国不振や引き続き予想される米大統領選の影響を理由に、1株あたり利益予想を従来の9.23〜9.40ドルから9.19〜9.27ドルに引き下げた。
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