顔に泥がついた状態で人々に話しかけるスペイン国王フェリペ6世(3日、パイポルタ)=ロイター

【パリ=共同】スペイン国王フェリペ6世、レティシア妃夫妻が3日、洪水の被害を受けた東部バレンシア近郊パイポルタを訪問した。支援の遅れに不満を抱く住民らが国王らに「人殺し」などと罵声を飛ばし、泥を投げつけた。AP通信は「国民から愛されるイメージを入念につくり上げてきた王室にとって前例がない出来事だ」と伝えた。

洪水は東部バレンシア自治州を中心にスペイン各地で10月29日に発生した記録的な豪雨が原因で起きた。スペインメディアによると、死者は少なくとも217人。パイポルタは特に被害の大きい地域で、60人以上の死者が出た。

国王夫妻は顔や衣服に泥を受けながらも住民らをなだめようと試みた。国王は訪問後、住民らの「怒りと不満」を理解しなければならないと述べた。

被災地には左派のサンチェス首相も訪問した。スペイン公共放送は、今回の出来事に極右グループが関与しているとみて警察が捜査していると伝えた。

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