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世論調査 両者接戦
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ハリス副大統領 ミシガン州で集会
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11/11(月) 午後7:30 まで配信
NHKニュース7 最終盤の情勢は?米大統領選
世論調査 両者接戦
政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、勝敗のカギを握る7つの激戦州では、各種世論調査の支持率の平均が日本時間の4日午前11時の時点で、
▽トランプ氏が48.5%、
▽ハリス氏が47.6%と接戦となっていて、
投票日が迫る中、両陣営による有権者への働きかけが続いています。
アメリカ大統領選挙 特設サイト 激戦州
ハリス副大統領 ミシガン州で集会
民主党のハリス副大統領は、3日、中西部ミシガン州で集会を開きました。
この中で、ハリス氏は「私は立場が異なる人たちの意見にも耳を傾けると誓う。彼らを敵だとは思わない。彼らには話し合いの席に着いてもらう。それこそが強いリーダーのすることだ」と述べ、大統領にふさわしいのはみずからだと訴えました。
ミシガン州にアラブ系アメリカ人の有権者が多いことを踏まえ、中東情勢について「大統領としてガザ地区での戦争の終結に全力を尽くす」と訴えました。
ハリス氏の集会 参加者は
ミシガン州の最大都市デトロイトから来た女性は「ハリス氏を支持する理由は女性が選択をする権利や中間層の暮らしを重視しているからだ。私は彼女が自由と民主主義を守る人だと思っている」と話していました。
また、州の南東部に暮らす男性は「ハリス氏はすばらしい大統領になると思う。私はバイデン大統領に満足しているし、ハリス氏は良い後継者になるはずだ。もう1人の候補は変人だ」と話していました。
集会が行われた大学の卒業生だという男性は「一晩かけて南部のテネシー州から車で800キロ以上運転してやってきた。ハリス氏に投票することに興奮している。勝利を確信している。彼女の周囲や選挙運動はエネルギーにあふれている」と話していました。
トランプ前大統領 激戦州の3州で集会
一方、トランプ前大統領はいずれも激戦州の東部ペンシルベニア州や、南部のノースカロライナ州とジョージア州で相次いで集会を開きました。
トランプ氏は、3つの州の演説で冒頭、「みなさんのいまの暮らしは4年前よりよくなったか」と問いかけ、「わたしがインフレを終わらせ犯罪者の流入を食いとめる」と訴えました。
有権者の関心の高いインフレ対策や移民対策をめぐってバイデン・ハリス政権への批判を強めることで票の掘り起こしを狙っているものとみられます。
トランプ氏根強い支持の理由「より戦略的に」
今回の選挙戦では一時、ハリス氏が支持率でトランプ氏を上回りましたが、最終盤の10月、トランプ氏が根強い支持を背景に巻き返しを見せました。
これについて、共和党の選挙戦略に詳しいストラテジストのクリス・キューピット氏は「トランプ氏の2024年の選挙戦は以前よりも戦略的になっている。特に選挙資金の使い方についてだ」と指摘しています。
具体的には前回・2020年の選挙では選挙戦の序盤から資金を使いすぎてしまった面があった一方、今回は終盤の1か月あまりに向けてより有権者の関心を集めるため戦略的に広告が使われたと指摘しています。
また、選挙戦の終盤にポッドキャストに相次いで出演したことが、若い男性の支持の拡大につながったという見方を示しています。
さらに、政策のアピールの仕方にも変化が見られるといいます。
4年前の2020年の選挙では大統領時代の経済運営の実績を訴えたものの、新型コロナの影響で勝機を逃したとして、「2016年にアピールしていた移民、国境管理、製造業への政策に回帰している。トランプ氏は2020年にうまくいかなかったことと、2016年にうまくいったことの経験を今に生かしている」と分析しています。
そのうえで「過去2回と比べ、今回のトランプ氏の選挙戦は、より戦略的となり、今回がベストだ」という見方を示しています。
トランプ氏根強い支持の理由 「陣営一新され、効率的に運営」
また、キューピット氏は選挙参謀など前回から陣営のスタッフが一新され、効率的に運営されていると指摘しています。
過去のトランプ氏の選挙戦では陣営内での意見の不一致などがたびたび伝えられていて、「今回は、トランプ氏の時間をいかに効率的に使うかに重点が置かれているほか、選挙資金の使い方も見直され、陣営内での規律も高まっているようだ」と述べ内部の統制が取れているとしています。
また、トランプ政権で通商政策の大統領補佐官を務めた側近のピーター・ナバロ氏も「トランプ氏は1人では重要な決定をしない。むしろアドバイザーなどいろんな人に相談をするのだが、以前に比べ誰を信じるべきか、より理解するようになった。大統領時代に不適切な助言をする人もいた経験を生かしている」と指摘し、今回は陣営が結束して、選挙戦に臨むことができていると主張しています。
トランプ氏の発言 “さらに過激で攻撃的”
トランプ氏の選挙戦での発言が最近、さらに過激となり、攻撃的になっていると指摘する専門家もいます。
哲学者で、政治指導者とスピーチ、プロパガンダとの関係を長年にわたって研究しているイエール大学のジェイソン・スタンリー教授はトランプ氏の発言についてもおよそ10年にわたり分析しています。
トランプ氏は10月、不法移民がアメリカに多く流入しているとして、集会で「われわれはゴミ捨て場だ。世界のゴミ箱のようになっている」とか不法移民の犯罪者について、「動物を一刻も早く追い出さなければならない」などと発言しています。
教授が特に注目しているのが、最近、トランプ氏が、対立する国内の民主党左派などを指す言葉としてよく使う「内なる敵」という言葉です。
先月のウィスコンシン州での集会では「ファシストやマルクス主義者、共産主義者、そういうクレージーな連中がこの国を牛耳っている。“内なる敵”はロシアや中国よりも危険だ」と述べました。
スタンリー教授は、「『内部の敵を標的にし、破壊しなければならない。さもなければ国家は滅びるだろう』と訴えることで、恐怖と不安をあおり、その解決者としてみずからを誇示することが目的だ」と分析しています。
そのうえで「支持者を投票所に向かわせる狙いのほか、男性に対して地位を喪失する恐怖や男性の方が優位だとする考え方を訴えかけて若者の票を得ようとしている」と指摘しその戦略が一定程度、功を奏し、最終盤での若い男性の支持拡大につながっているという見方を示しています。
一方で、集会の演説は長くなり、一貫性がないことも増えたと指摘し、感情をコントロールできなくなっている可能性もあると指摘しています。
スタンリー教授は「集会では事前に用意された原稿から外れ、以前より面白くない」とした上で、「トランプ氏は、数多くの刑事裁判を経験してきた。連日、法廷に座って自身が犯したとされる罪の数々を聞かされてきた。自分が標的にされていると感じ非常に怒っている」との見方を示しました。
アメリカ大統領選挙 特設サイト
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