【NQNニューヨーク=稲場三奈】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比288ドル73セント高の4万2052ドル19セント(速報値)で終えた。前日夕に四半期決算を発表したアマゾン・ドット・コムなどが上昇。前日に下げが目立ったハイテク株の一部にも買いが入り、相場を押し上げた。ダウ平均の上げ幅は一時560ドルあまりに達した。
前日夕に四半期決算を発表した銘柄を中心に値動きが大きかった。アマゾンは6%高で終えた。前日夕に発表した2024年7〜9月期決算では、売上高と1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが広がった。インテルも大幅高。四半期決算と同時に示した24年10〜12月期の収益見通しが市場予想以上で、買いを促した。
一方、アップルは下落した。前日夕発表の24年7〜9月期決算では売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想以上だった半面、利益率が高いサービス事業の売上高が市場予想に届かなかった。10〜12月期の見通しが慎重との受け止めもあって売りが出た。
1日朝発表の10月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比1万2000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(10万人増)を大きく下回った。民間部門の雇用者数が増加を見込んでいた市場予想に反して減少。9月分と8月分も下方修正した。市場では「特別要因の影響で意味のある指標とは受け止められなかった」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との声が聞かれた。
米債券市場では長期金利が雇用統計の発表後に大幅に低下(債券価格は上昇)したが、買い一巡後は次第に売りが優勢となり、一時は4.3%台後半と約4カ月ぶりの高水準を付けた。金利の上昇は株式相場の上値を抑えた。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ボーイングが大幅高となった。新たな労働協約案を巡り、来週に組合員投票をすると伝わった。ストライキ終結の観測から買いが入った。ハネウェル・インターナショナルやシェブロンも買われた。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやスリーエム(3M)は売りが出た。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比144.766ポイント高の1万8239.917(速報値)で終えた。
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