イスラエルでは先月下旬、ガザ地区などでパレスチナ難民の支援にあたるUNRWAの国内での活動を禁止する法律が成立し、支援にはイスラエル側との調整が欠かせないためUNRWAの活動に大きな影響が出ることが懸念されています。

イスラエル軍の攻撃で少なくとも190万人が避難生活を送るガザ地区では、UNRWAが人道支援物資の配布のほか診療所を運営するなど住民の医療も支えています。

このうち南部ハンユニスにある日本の支援で建設された「ジャパニーズ・ヘルスセンター」では、先月31日にNHKガザ事務所が取材すると医師の診察や薬の処方を求めて多くの住民が列をつくっていました。

UNRWAによりますと、衛生環境の悪化から感染症にかかる人が多く、医薬品の需要が増しているものの戦闘の影響で搬入が滞り、50品目以上の医薬品が今月にも底を尽きる可能性があるということです。

1歳の息子を連れてきた母親は「息子は1歳で栄養失調に苦しんでいます。UNRWAはとても重要で、ほかに代わりはありません」と話していました。

また、別の女性は「国際社会にはガザ地区の私たちに食料や医薬品が届くようUNRWAへの支援を続けてほしいです」と訴えていました。

UNRWAのハティブ疾病対策医務官は「一日に1万6000人ほどの患者を診察している。ガザ地区の人々に医療サービスを届けられるよう各国にはUNRWAへの支援を続けるよう要望したい」と話していました。

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