【パリ=共同】スペイン東部バレンシア自治州を中心に同国各地で10月29日に発生した記録的な豪雨による鉄砲水の死者は11月1日までに、少なくとも205人に上った。スペインメディアが報じた。死者がさらに増える可能性がある。欧州メディアは過去50年超で欧州最悪の豪雨関連の災害だと指摘した。
バレンシア州で202人が死亡。中部カスティーリャ・ラマンチャ自治州で2人、南部アンダルシア自治州で1人が死亡した。バレンシア州では大量の泥水が路上にあふれ、多くの車や住民らが流されたり家屋が倒壊したりした。
政府は1日、当初から救助活動を行っている兵士1200人に加え、500人を新たに派遣した。サンチェス首相はX(旧ツイッター)で「スペイン社会の限りない連帯と献身」をたたえ、支援強化を約束した。政府は10月31日から3日間を服喪期間とし、政府庁舎で半旗が掲げられた。
多数の被災者が仮設住宅で避難生活を送り、道路や鉄道などの交通網も寸断されている。
今回の豪雨について、専門家は気候変動と関連があるとみている。スペインではここ数年深刻な干ばつに襲われ、地面が固くなって雨を吸収できず鉄砲水が発生したと指摘されている。
ロイター通信によると、今回の水害は1970年にルーマニアで発生した洪水の209人にほぼ匹敵する死者数となった。
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