20日に就任したインドネシアの新大統領が、新内閣の顔ぶれを発表した。前政権では34だった大臣ポストは53に増え、現地メディアはポスト増設によって、東南アジアで最も「太った内閣」が誕生したと報じている。

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 21日、首都ジャカルタの大統領宮殿で大臣の就任式があり、正装の男女がずらりと記念撮影に並んだ。

 大臣が増えたのは、前政権下の9月に法改正があり、省庁の数を大統領の権限で上限なく増やせるようになったためだ。一つの省庁を複数に解体するなどして、ポストを増やしたという。

 大統領府報道官は21日、取材に対し、環境林業省が環境省と林業省に分割されたことを例に、「省庁の増加で、より焦点を絞った業務が可能になる」と説明した。

 一方、BBCインドネシアは「内閣の肥大化によって、業務の流れが長く複雑になり、権限の重複が生じる可能性がある。予算も膨れあがるだろう」との専門家の指摘を報じた。

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 プラボウォ大統領は2月の大統領選で、ジョコ前大統領の路線継続を訴えて当選。21日に任命した大臣のうち、スリ・ムルヤニ財相ら16人が前政権からの留任組だ。

 プラボウォ氏は2月の大統領選から就任式までの約8カ月間、「身内づくり」に奔走。「巨大連立政権によって、強力な政府を築きたい」と話していた。

 大臣の顔ぶれから、プラボウォ政権は少なくとも、国会議席の約7割を与党に組み入れたとみられる。

 現地メディアによると、これまで東南アジアで最も大臣数が多かったのはタイの35人という。1日に発表された日本の石破内閣の大臣数は20人だった。(ジャカルタ=半田尚子)

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