【北京=共同】中国当局は22日、台北までわずか百数十キロの近海にある福建省沖に実弾射撃の実施区域を設定し、船舶の進入を禁止した。地元の海事当局が発表した。米国とカナダの艦艇が台湾海峡を20日に通過したことへの対抗措置とみられる。中国は台湾周辺で軍事演習を実施したばかり。台湾独立派と見なし敵視する台湾の頼清徳政権への威嚇を繰り返した。
実弾射撃の設定区域は福建省福州市平潭の沖合にある牛山島の沿海。台湾国防部(国防省)は22日、中国が軍事訓練によって威嚇効果の拡大を狙っている可能性もあるとし「注意深く監視し、適切に対処する」との談話を発表した。
中国は実弾射撃や軍事訓練などの区域設定を発表しても、実際に実施したかどうか公表しないことが多い。
中国は頼氏が10日、台湾が正式名称とする「中華民国」の建国記念日に「中華人民共和国には台湾を代表する権利はない」と演説したことに対し「台湾は中国の一部だ」と反発。14日に台湾を包囲する海空域で空母「遼寧」の艦隊や過去最多の軍用機を動員して軍事演習「連合利剣―2024B」を実施した。
日米欧の先進7カ国(G7)は19日、イタリアで初めて開いた国防相会合の共同声明で台湾周辺での中国の軍事活動拡大に深刻な懸念を表明。米海軍のミサイル駆逐艦とカナダ海軍のフリゲート艦は20日、航行の自由を守るためとして台湾海峡を通過し、中国をけん制した。
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