【ブリュッセル、ワシントン=共同】欧州連合(EU)欧州委員会などは21日、旧ソ連構成国モルドバで20日に実施されたEU加盟の是非を問う国民投票と大統領選に、ロシアが不正な資金提供や偽情報キャンペーン、サイバー攻撃を含むハイブリッド戦争を仕掛け、介入したとの声明を発表した。欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団などの情報としている。
声明は「ロシアはモルドバの民主主義を弱体化させようとしたが、選挙と国民投票を成功裏に実施したモルドバ当局の努力を称賛する」とした。
カービー米大統領補佐官も21日の記者会見で、モルドバの国民投票でEU加盟賛成が過半数になったことを受け「欧州への統合に向けた歴史的な一歩だ」と評価。EU加盟阻止を狙うロシアの選挙介入が「失敗」に終わったとし「モルドバの民主主義が強靱(きょうじん)であることを示した」と強調した。
大統領選では親欧米のサンドゥ大統領が得票率で首位になったが、過半数には達せず、11月3日に親ロシアの前大統領の支持を受ける候補との決選投票が行われる。
カービー氏は「ロシアが選挙介入を再び試みる可能性が高い」として警戒感を表明。欧州委員会は大統領選の決選投票と来年の議会選挙の動向を注視するとした。
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