北朝鮮制裁の監視を担う新組織「MSMT」の発足を発表する11カ国の代表者(16日、ソウル)

【ソウル=甲原潤之介】韓国外務省は16日、北朝鮮に対する国連制裁の履行を監視する新たな組織を11カ国で発足すると発表した。日米韓3カ国が主導する。国連の北朝鮮制裁に関する専門家パネルがロシアの拒否権で活動停止したのを踏まえ、情報共有を強化する。

多国籍制裁モニタリングチーム(MSMT)の名称で設立した。16日に発表した共同声明で「制裁違反や回避の試みに対し、厳格な調査を基にした情報を公表し、国連制裁の充実した履行を支援する」と表明した。

専門家パネルは国連加盟国が対北朝鮮制裁を適切に履行しているか調査する役割を負っていた。ロシアが活動延長に拒否権を発動し、4月末で活動を終えた。ロシアと北朝鮮の協力強化が背景にあり、国連制裁の抜け穴が広がりかねないとの懸念がある。

日米韓のほかの参加国は英国、フランス、オーストラリアなど。韓国外務省の金烘均(キム・ホンギュン)第1次官は16日の記者会見で「専門家パネルの報告書より詳しい内容を出し、専門家パネルに劣らない監視システムとして発展させたい」と強調した。

日本外務省の岡野正敬次官は「専門家パネルの消滅によって空いた穴を埋める意義のある一歩だ。韓国のイニシアチブを高く評価する」と表明した。米国務省のキャンベル副長官は「これは第一歩だ。他の国も参加したいと思ってくれるだろう」と話した。

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