10月6日にチュニジアで行われた大統領選挙について、選挙管理委員会は11日、最終的な開票結果を発表し、現職のサイード大統領が90%以上の票を獲得して再選されました。

2019年に初当選したサイード大統領は、憲法改正によって大統領が議会の承認なしに首相を指名できるようにするなどみずからの権力基盤の強化を進めてきたほか、今回の大統領選挙でも有力な野党候補などを次々に拘束するなど締めつけを強めてきました。

これに反発する野党勢力などが投票のボイコットを呼びかけたことなどから、投票率は28%余りと、前回の55%から大きく落ち込みました。

チュニジアでは13年前に市民の抗議によって独裁的な政権が倒れたあと民主化プロセスが進められ、中東各地に広がった民主化運動、「アラブの春」の唯一の成功例とも言われましたが、サイード大統領が強権的な統治を強めるなか、国民の政治に対する不信感が深まっていることもうかがえます。

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