イランが後ろ盾となっているレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者が殺害されたことなどへの報復としてイランが今月1日、イスラエルに大規模なミサイル攻撃を行ったことを受けイスラエルは、対抗措置をとる構えです。
イスラエル側が対抗措置に踏み切れば、さらなる攻撃の応酬となりかねないだけにイスラエルの出方が焦点になっています。
一方、イスラエル軍は、レバノンでヒズボラへの攻勢も強め、首都ベイルートなどへの空爆を連日、行っているほか、地上侵攻に踏み切った南部でも、ヒズボラとの戦闘が激化しているとみられます。
イスラエル軍は4日、ヒズボラがロケット弾など、およそ100発をイスラエル領内に向けて発射したとする一方、これまでにヒズボラの拠点や武器庫など2000以上の標的に攻撃を行い戦闘員およそ250人を殺害したなどと主張しました。
ヒズボラもイスラエル側に砲撃などを行い、複数の死傷者が出ているとしています。
情勢が悪化する中、レバノンでは120万人近くが避難を強いられていますが、国連は4日、レバノン政府が用意したおよそ900か所ある避難所のほとんどで住民を受け入れられなくなっていると明らかにしました。
中には、避難所に入れず、夜間も屋外で過ごさざるをえない人もいてレバノンでも人道危機が深刻化しています。
緊迫化への懸念 原油価格が一時1バレル=75ドル台半ばまで上昇
イランが行った大規模なミサイル攻撃に対してイスラエルがどのような対抗措置をとるかが焦点となる中、4日のニューヨーク原油市場では、中東情勢が一段と緊迫化することへの懸念から国際的な原油の先物価格が一時、1バレル=75ドル台半ばまで上昇しました。
投資家の間では、イスラエルによるイランへの対抗措置が焦点となっていますが、レバノン南部でイスラエルと、イランの支援を受けるヒズボラとの間で戦闘が激化していると伝わったことで中東情勢が一段と緊迫化することへの懸念が高まりました。
このため、4日のニューヨーク原油市場では、国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=75ドル台半ばまで上昇しました。
これは、およそ1か月ぶりの高値水準です。
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