岩屋毅外相は2日、石破茂首相が提唱する北大西洋条約機構(NATO)の「アジア版」の構想に関し「将来のビジョンの一つとして中長期的に検討していくべきだ」と話した。就任後初の記者会見で「直ちに相互に防衛義務を負うような機構をアジアに設立することは難しい」と説明した。
インド太平洋地域は欧州と違い安全保障政策などに多様性があることを考慮しなければならないと指摘した。同構想は「特定の国に向けられているものではない」とも強調した。
「当面は自由で開かれたインド太平洋(FOIP)など多国間枠組みの協力を積み上げる努力をしたい」と言明した。「将来の理想はインド太平洋、アジア全体のどの国も排除しない安保協力ができることが望ましい」と訴えた。
日米地位協定の改定を巡っては「日米同盟の抑止力・対処力を強化する観点で取り組むべき課題はある。政府としてどのような対応が望ましいか検討したい」と述べるにとどめた。
米国の核使用時の意思決定に日本も関与する「核共有」については「非核三原則を堅持し、見直す考えはない」と語った。
北朝鮮による日本人拉致被害者の帰国に向けた東京と平壌への相互連絡事務所の開設に関しては「何が現実的で最も効果的か検討して進めたい」と主張した。いずれの政策も首相が自民党総裁選期間中に唱えていた。
中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相と「できるだけ早くお目にかかりたい。率直な対話を積み重ねたい」との意欲を示した。
2025年に国交正常化60周年を迎える日韓関係については「東アジア地域の安定と繁栄につながる。堅固で幅広いものにしたい」と言及した。
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