「薬剤耐性」は、薬の不適切な使用などを背景に病原菌などに特定の薬が効かなくなる問題で、2019年には「薬剤耐性菌」に関連して世界で495万人が死亡したと推計されるなど、国際社会で大きな課題になっています。
これについて26日、国連でハイレベル会合が開かれ、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は「薬剤耐性は、よくある感染症や日常的な手術をリスクの高いものに変え、命すら脅かす可能性がある。未来の仮定の話ではなく、いまここにあるリスクだ」と演説し、各国の行動を促しました。
会合では、この問題に国際社会が協力して取り組むための政治宣言が取りまとめられました。
宣言では、2030年までに薬剤耐性菌に関連して世界中で死亡する人の数を2019年と比べて1割減らす目標が盛り込まれ、今後、各国や地域、それにWHOなどの国際機関が具体的に対策を進める指針となる見込みです。
この問題に取り組んできたカリブ海の島国バルバドスのモトリー首相は、演説で「単なる議論に終わらせず、『静かなパンデミック』とも呼ばれる薬剤耐性のリスクから私たち全員が守られる共通の未来を築いていきましょう」と呼びかけていました。
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