【ボアビスタ(ブラジル北部)=水口二季】米マイクロソフトは26日、ブラジルに3年間で147億レアル(約3900億円)を投資すると発表した。人工知能(AI)やクラウドサービス分野のインフラ拡充などに充てる。同社のブラジルへの投資としては過去最大規模になる。
マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が同日、サンパウロ市内のイベントに参加した。「新たな投資はAI時代におけるブラジル経済の発展に大きく役立つ」と述べ、マイクロソフトのサービスを通じて企業や政府のAI活用を促す考えを示した。
サンパウロ州にある複数のデータセンターでAIとクラウドのインフラを拡張する。他にも、政府や教育機関などと協力して、AIスキルの獲得を目的としたプログラムを提供する。3年間で500万人が訓練の対象となる。
ブラジルのルイス・マリーニョ労働相は発表を受け、政府が長年にわたりマイクロソフトと協力してきたとして「新たなイニシアチブは国内に雇用機会を増やし、国民の経済的、職業的な成長を支援するために欠かせない」と歓迎した。
ブラジルのルラ大統領は7月末に「中国や米国、韓国、日本などから来るのを待つのではなく、自前でAIを持つべきだ」として、国産AIの開発に230億レアルを投じる計画を発表していた。公共分野やビジネスの改革を進める考えを示しており、マイクロソフトは今回の投資が政府のビジョンに沿ったものだと強調した。
米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も9月、2034年までにブラジルに100億レアル以上を投資すると発表した。AI需要の拡大を見越したインフラへの投資を予定している。
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