【ロンドン=大西康平】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は26日、サウジアラビアが1バレル=100ドルの原油価格の非公式目標を撤回し、12月の原油増産に向けて準備を進めていると報じた。原油需給が緩むとの観測から、同日の欧州指標の北海ブレント先物は一時、2週間ぶりの安値を付けた。
サウジアラビアは減産で原油価格を下支えする姿勢をとってきたが、非石油輸出国機構(OPEC)の米国やカナダなどに奪われた市場シェアの回復を重視する方針に転換するという。
これまでOPECと非加盟のロシアなどで構成するOPECプラスを主導し、5日には減産幅の縮小を12月へ2カ月延期すると決めていた。市場には再延期の見方もあった。
報道を受けて、原油価格は下落している。北海ブレント先物は一時前日比4%安の1バレル71ドル弱と、12日以来の安値を付けた。米指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物も約2週間ぶりの安値圏で推移する。
世界的な景気減速による需要鈍化が意識され、原油価格の低迷が続いていた。北海ブレント先物は9月上旬、2年9カ月ぶりに1バレル70ドルを下回った。
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