【NQNニューヨーク=戸部実華】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比62ドル89セント安の4万0766ドル70セントで推移している。寄り付き直後には買いが先行し、ダウ平均は高く始まった。半面、11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースを探るうえで内容を見極めたい雰囲気がある。持ち高調整の売りも出やすい。
FRBは来週開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める公算が大きい。利下げ幅の予想を巡っては、市場の見方が定まっておらず、今週発表の物価指標を確認したいという投資家が多い。10日夜には米大統領選の候補者である民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領によるテレビ討論会も予定されており、様子見ムードもある。
前週は米景気の先行き不透明感を背景に株売りが広がり、ダウ平均の週間の下げ幅は2023年3月以来の大きさとなった。短期的に下げすぎたとの見方があり、ハイテク株を中心に前日には押し目買いが入った。10日朝の取引でも一部のハイテク株への買いが続いており、相場を下支えしている。
個別銘柄ではアップルに売りが先行した。欧州司法裁判所が10日、アイルランドがアップルに適用してきた法人税の優遇措置を巡り、違法な補助とみなす欧州委員会の判断を支持する判決を下した。ゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレス、ボーイングも安い。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが大幅高となっている。人工知能(AI)関連の需要を背景にクラウド関連が堅調で、9日発表した24年6〜8月期決算は市場予想を上回る増収増益となった。アマゾン・ドット・コム傘下のクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」との提携も発表した。ダウ平均の構成銘柄ではアマゾンやマイクロソフトが高い。マクドナルドやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も買われている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。
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