フィリピンのドゥテルテ前大統領(2023年3月)

【マニラ=共同】フィリピン国家警察は8日、ドゥテルテ前大統領と関係が深い新興宗教団体指導者のキボロイ容疑者を児童虐待と性的虐待、人身売買の疑いで逮捕したと発表した。前大統領や長女サラ・ドゥテルテ副大統領は同団体への強制捜査に強く反発しており、マルコス政権との対立激化は必至だ。

警察は8月下旬から2千人規模の警官隊を南部ダバオの宗教団体施設に投入し逮捕状の執行を目指していた。警察によると、交渉の結果、施設内で自ら出頭し、マニラに移送されたという。米国でも性的人身売買などの罪で起訴されている。

サラ氏は8月25日の声明で、警察の強制捜査は「権力の乱用」に当たるとしてマルコス政権を非難。ドゥテルテ前大統領も、強制捜査が暴力的対立に発展して信者1人が死亡し、多数が負傷したと指摘。「政治的迫害の被害者」になったとして信者らに同情すると表明していた。

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