イスラエルとハマスの間で続く停戦と人質解放をめぐる協議について、アメリカのブリンケン国務長官は5日、「90%は一致しているが、合意に向けてはいくつか重要な課題が残っている」としたうえで、仲介国のエジプトやカタールとともに近く新たな提案を示す考えを明らかにしました。
ただ、ハマスの幹部は5日「ガザ地区でのイスラエル軍の駐留を認めるいかなる合意にも応じるつもりはない」などとする声明を発表し、合意の条件としてイスラエル軍の完全撤退を求める立場を改めて鮮明にしました。
これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相はエジプトとの境界地帯にある「フィラデルフィ回廊」での軍の駐留継続を繰り返し主張していて、双方の意見は真っ向から対立し、協議の先行きは依然、見通せていません。
一方、ガザ地区では地域を限定し、戦闘を一時休止したうえでポリオのワクチン接種が続けられていて、現地の保健当局は5日には16万人余りの子どもたちが接種を受けたと発表しました。
接種に当たっているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関の清田明宏保健局長は5日、NHKの取材に対し「戦闘は長すぎるし、ガザの人はみな疲れている。彼らが普通の生活に戻る努力を始められるように、国際社会に要請したい」と話し、一時的な戦闘休止ではなく、恒久的な停戦が今すぐ必要だと訴えました。
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