【エルサレム=共同】世界保健機関(WHO)は3日、パレスチナ自治区ガザで1日に始まったポリオ(小児まひ)の予防接種を巡り、約64万人と見込む対象の子どものうち約25%が接種を受けたと発表した。ガザ保健当局幹部は3日、共同通信の電話取材に応じ、接種を実施する中部で戦闘を休止したイスラエル軍の「妨害はなく、順調に進んでいる」と述べた。
WHOによると、1〜2日で10歳未満の子ども約16万1千人が接種を受けた。想定より速いペースという。接種に伴う中部での戦闘休止は当初3日までとされたが、1日延長して4日まで続く見込み。保健当局幹部は理由について、医療施設から離れた地域での接種などのためだと説明した。
接種に伴う戦闘休止は地域ごとに実施されている。午前6時に始まり、午後2〜3時ごろまで交戦を控える限定的な措置で、中部に続き、南部は5日から、その後に北部でも行われる。ポリオの感染拡大を防ぐためにはガザ全体で90%以上の接種率が必要という。
北部や南部では1日以降も軍の攻撃が続いており、ガザ保健当局によると、1日当たり数十人が死亡している。
一方、イスラエルでは3日も停戦交渉の遅れなどを批判し、政府に早期の妥結を求めるデモが各地で開かれた。停戦交渉は8月に再開したが、ネタニヤフ首相は軍のガザ・エジプト境界駐留を強硬に要求。イスラム組織ハマスとの隔たりが埋まらず、難航している。
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