【ニューヨーク=竹内弘文】米証券取引委員会(SEC)は3日、S&Pグローバル・レーティングやムーディーズなど格付け大手6社に対し、合計4900万ドル(約71億円)強の罰金を科したと発表した。従業員が個人端末の対話アプリなどで業務内容を含むやりとりをして、連邦証券法が定める情報管理規定に違反したと判断した。

S&Pグローバルやムーディーズ以外に、フィッチ・レーティングスやAMベストなどが摘発対象となった。SECの資料によるとS&Pグローバルでは、経営幹部を含めた従業員が少なくとも2020年以降、米メタの「ワッツアップ」などの対話アプリを用いて格付けに関する情報を社内外とやりとりしていた。格付け付与や変更といった情報も一部含まれていたという。

証券法は、格付け会社などSECの監督下にある企業に対し、業務上重要な情報の記録を保存する義務を課している。個人端末上で対話アプリを用いた非正規の情報のやりとりに対し、SECは摘発を続けている。2021年の米銀最大手JPモルガン・チェースを皮切りに、米欧日の金融機関などに対して罰金を科してきた。

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