【メキシコシティ=市原朋大】メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が22日発表した4〜6月の実質国内総生産(GDP、確報値)は前年同期比1.0%増えた。速報値(1.1%増)から下振れし、1〜3月期(1.8%増)も下回った。
GDPの伸びは7四半期連続で鈍化している。6月まで続いた猛暑と水不足の余波で、4〜6月期は農業など第1次産業(2.5%減)が5四半期連続でマイナスだった。
第2次産業は0.4%増を確保した。製造業や鉱業が3四半期連続でマイナスだった一方、政権末期の駆け込み公共事業による追い風も受けた建設業(7.3%増)の大幅なプラスが続いた。金融、サービスなど第3次産業は1.5%増えた。
1〜3月期との比較では0.2%増と、速報値段階と変わっていない。
GDPの減速は今年3回目となる利下げのタイミングをうかがう金融政策にも影響する。最大の判断材料となるインフレの過熱には歯止めがかかりつつある。
INEGIが22日発表した8月前半の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は5.16%(前年同期は4.67%)と、7月(5.57%)まで5カ月連続で前月を上回っていた過熱感が収まった。コアインフレ率も3.98%(同6.21%)と7月の4.05%を下回った。
メキシコ銀行(中央銀行)は8日の金融政策決定会合で、政策金利を10.75%と0.25%引き下げていた。8月前半も果物・野菜(15.9%上昇)の高値は続いたものの、中銀が追加利下げの根拠としたコアインフレ率は低下している。9月の次回会合で中銀が連続利下げに踏み切る観測が強まっている。
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