クレアトゥラがメタンの削減に取り組むフィリピンの水田

温暖化ガス削減量を取引する「カーボンクレジット」の調達支援などを手掛けるクレアトゥラ(東京・港)は、メタンのクレジット創出事業を拡大する。フィリピンで実施している水田プロジェクトを他国にも広げるほか、人工知能(AI)や人工衛星を活用して削減量を正確に把握するサービスも2024年中に始める。クレジットを購入したい日本企業の需要を取り込む。

メタンは稲作など農業が盛んな国で排出量が多く、温室効果は二酸化炭素(CO2)の20倍超とされる。クレアトゥラはフィリピンで水田由来のメタンを減らせる農法を活用するプロジェクトを実施中だ。これを今後、東南アジアの他の国などにも広げる。

発展途上国などの温暖化ガス削減を日本の技術で支援し、削減分を日本企業が購入する「二国間クレジット制度」(JCM)を活用する。一連の事業の拡大に向け、このほどベンチャーキャピタルのDBJキャピタルと三井住友海上キャピタルを引受先とする第三者割当増資で約3億5000万円を調達した。

クレアトゥラはメタンやCO2などのカーボンクレジットの調達や創出、再生可能エネルギー導入などの支援サービスを展開する。取引する削減量は足元で年間40万トンほどだが、28年までに年間数百万トンへの拡大を目指す。

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