中国恒大集団トップの許家印氏は巨額の訴訟を起こされた(2016年3月末、香港市内のホテルで)

【上海=土居倫之】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は5日、同社創業者で大株主の許家印氏などに対して計60億ドル(約8600億円)の返還を求めて訴訟を起こしたと公表した。

虚偽記載があったとする2017年12月末から20年12月末までの財務報告に基づいて恒大が払った株式配当と報酬計60億ドルの返還を求める。

香港高等法院(高裁)が任命した管財人が3月22日、恒大名義で許氏と夏海鈞・元最高経営責任者(CEO)、潘大栄・元最高財務責任者(CFO)に対して返還訴訟を提起した。その後、許氏の配偶者もしくは前配偶者とする丁玉梅氏なども対象とした。

恒大によると、この訴訟は香港高裁が守秘義務を課していたが、8月2日付で守秘義務を解除したという。

ただ許氏の資産の大半を占める恒大株は1月29日から売買停止が続いている。たとえ売買を再開しても株価は大幅に下落しており、訴訟による返還可能性は不透明だ。

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