【テヘラン、エルサレム=共同】イスラエルに対する報復攻撃にアラブ諸国の理解と支持を求めるため、イランがイスラム協力機構(OIC)の会合開催を要請したことが分かった。外務省報道官が5日の記者会見で明らかにした。OICはサウジアラビアで7日に緊急外相級会合を開く。同報道官は「世界は処罰を支持しなければならない」と訴えた。
米メディアによるとブリンケン国務長官は、イランの報復攻撃が早ければ5日か6日にも実施されるとの見方を示していたが、攻撃開始は7日以降にずれ込む可能性が出てきた。
イランのペゼシュキアン大統領は5日、首都テヘランを訪問したロシアのショイグ安全保障会議書記(前国防相)との会談で、イスラエルは「犯罪への報いを確実に受ける」と述べ、報復する意向を改めて誓った。
ブリンケン氏は5日、カタールのムハンマド首相兼外相、エジプトのアブデルアティ外相と電話会談し、イランにイスラエルへの報復攻撃自制を呼びかけるよう求めた。
イランが報復を準備するのは、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が、テヘランで暗殺されたことが原因だ。イスラエルは暗殺への関与を認めていないが、イランはイスラエルの仕業と断定し報復を宣言した。
ただ国際的にイランへの支持は広がりを欠いている。表向きはガザの窮状に同情的なアラブ諸国の多くも、大規模な国際紛争につながりかねない報復攻撃には慎重な立場とみられる。
英紙ガーディアンは、OICでの協議結果が出るまで、イランは報復攻撃実施を延期する可能性があると伝えた。
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