【フランクフルト=林英樹】ドイツのメルセデス・ベンツグループが26日発表した2024年4〜6月期の純利益は前年同期比16%減の30億6200万ユーロ(約5100億円)だった。中国で値下げ競争にさらされたのに加え、利益率の高いSクラスやマイバッハなど「トップエンド(最上級)車」の販売台数が17%減った影響が大きかった。
売上高は4%減の367億4300万ユーロ、EBIT(利払い・税引き前利益)は19%減の40億3700万ユーロだった。オラ・ケレニウス社長は同日の決算記者会見で「市場環境は非常に厳しいが、徐々に好転している」と語った。
好調を維持しているバンなど商用車を除いた、乗用車部門の4〜6月の販売台数は4%減の49万6千台。欧州や米国で需要が失速している電気自動車(EV)は4万5千台と、25%減った。新車販売に占めるEV比率は11.8%から9.2%に下がった。
特に販売価格10万ユーロ(約1670万円)以上の最上級車が17%減の7万台と苦戦する。3割超の販売台数を占める中国市場でモデルチェンジが重なった影響が大きかった。中国では値下げ競争も激しく「100社以上のEVメーカーのうち90社以上はキャッシュを生み出せていない」(ケレニウス氏)という。
乗用車部門のEBITは29%減の27億5600万ユーロだった。売上高利益率は13.5%から10.2%に下がった。
メルセデスは24年末までに最上級車の新型EクラスとGLCの全車種を販売する計画だ。ケレニウス氏は「最上級車の市場投入に支えられ、年後半にかけ販売とモデルミックス(車種構成)が改善していく」と期待を寄せる。
一方「自動車市場は引き続き不透明な状況にある」として、24年通期の乗用車部門の利益率を従来予想の「10〜12%」から「10〜11%」に下方修正した。
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