1株利益は市場予想を上回った(カリフォルニア州)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米銀大手バンク・オブ・アメリカが16日発表した2024年4〜6月期決算は純利益が前年同期比7%減の68億ドル(約1.1兆円)だった。預金と貸出金の金利差にあたる利ざやが縮小し、貸出業務などで得られる純金利収入が減った。不良債権処理に充てる与信費用の増加も利益を圧迫した。

純金利収入は3%減の137億ドルだった。6月末の貸出残高は1年前より増えたが、4〜6月期の利ざやが1.93%と前年同期(2.06%)から縮んだのが響いた。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を高く保つなか、貸し出しなどから得る利息収入の伸びよりも預金者に払う利息の負担が増えている。与信費用は15億ドルと34%増えた。

非金利収入は6%増の116億ドルだった。債券や株式の引受業務が好調で投資銀行の手数料収入が15億ドルと29%増えた。資産運用の手数料収入も14%増と堅調だった。商業銀行ビジネスの減速をほかで補う形で、事業会社の売上高に相当する純営業収益は253億ドルと1%増えた。

1株当たり利益(EPS)は0.83ドルとQUICK・ファクトセット集計の市場予想(0.80ドル)をわずかに上回った。純金利収入が24年10〜12月期にかけて持ち直す見通しを示したことも好感し、16日の米株式市場ではバンカメの株価が一時、前日比で約6%上昇した。

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