▼フランスの統治体制 フランスは大統領を元首とした共和制を敷く。直接選挙で選ぶ大統領は国家の主要方針の策定や外交・安全保障を担う。国民議会(下院)の解散権を持ち、議会を解散した後、1年間は解散できない。任期は5年で連続2期まで務められる。2017年に就任したマクロン大統領は27年の大統領選の出馬資格がない。

議会は元老院(上院)と下院の二院制で、下院は上院に優越する。大統領は内政を担当する首相の任免権を持つものの、議会多数派の意向に反した人選は不信任決議の対象になる恐れがある。大統領と首相の所属政党が異なる「ねじれ」による政治の混乱を避けるため、下院選は大統領選のすぐ後に実施すると定められた。

大統領権限は1958年にドゴール元大統領が首相任免権や下院解散権を加えるなどして大幅に拡大した。2022年6月の下院選で与党連合は過半数割れしたが、マクロン氏が憲法の規定を適用して予算案などを成立させてきた。

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