【シリコンバレー=清水孝輔】米連邦取引委員会(FTC)は17日、消費者保護に関する法律に違反したとしてデザインソフト大手の米アドビを提訴したと発表した。同社がサブスクリプション(定額課金)プランを契約するウェブサイトの画面で早期解約料について十分に示していないほか、解約手続きを複雑にしたと訴えた。
アドビのサブスクには料金を分割して月々支払う年間契約のプランがある。契約期間の途中で解約すると数百ドル(数万円)がかかる場合がある。FTCはアドビがこのプランの契約画面で早期解約料の詳細について明確に表示せず、「消費者を欺いた」と主張している。
FTCはアドビが手続きを煩雑にして解約のハードルを上げているとも指摘した。消費者が解約手続きをしようとすると、何度も違うウェブサイトに誘導されたり、担当者への問い合わせ電話を複数回にわたり転送されたりしたという。
アドビは反論している。同社で法務や公共政策を統括するダナ・ラオ氏は17日、FTCの提訴を受け「契約の条件を透明化し、解約プロセスをシンプルにしている。FTCの主張には法廷で反論する」と声明を出した。
FTCは2023年には米アマゾン・ドット・コムが同意なく消費者を有料会員に登録させようとしたとして同社を提訴した。解約手続きも複雑にしていると主張した。アマゾン側はFTCの主張は誤りだと反論した。
ウェブサイトのデザインや表記を通じて消費者を不利な決定に誘い込む仕組みは「ダークパターン」と呼ばれる。米規制当局はダークパターンをめぐり、テクノロジー企業に対する監視を強めている。
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