トランプ氏(左)とバイデン氏は27日に最初の大統領候補討論会を控える=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】11月の米大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領の選挙陣営は17日、共和党の候補指名が確定しているトランプ前大統領への有罪評決に焦点を当てたテレビ広告に5000万ドル(約79億円)を投入すると発表した。激戦州の支持率で後れを取るバイデン氏は、トランプ氏を「犯罪者」と攻撃する広告で巻き返しを図る。

「人格は重要だ」と題する広告は、トランプ氏が5月30日に不倫相手とされる女性への口止め料支払いを巡る34の重罪で有罪評決を受けたことを指摘し「この選挙は有罪となった犯罪者と、あなたの家族のために闘う大統領との間の選択だ」と訴える内容。

陣営によると、27日の第1回大統領候補討論会を前に、激戦州を中心に地上波やインターネット接続型テレビ「コネクテッドTV(CTV)」、ケーブルテレビで流す。特に黒人やヒスパニック(中南米系)、アジア系の有権者へのアピールを狙う。

調査会社イプソスと政治サイトのポリティコが7〜9日に実施した世論調査によると、投票先を決める際に有罪は重要だと考え、トランプ氏に投票する可能性が低くなったと答えた無党派層は21%だった。

一方で、検察がトランプ氏を起訴したのはバイデン氏を助けるためだったとの見方に同意する人は回答者全体の43%に上った。同意しない人の51%を下回ったものの、裁判は政治的だったとみる有権者が一定数いることがあらためて浮き彫りになった。

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