航空機大手の米ボーイングの経営の混乱が続いている=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングの2024年のフリーキャッシュフロー(FCF、純現金収支)が赤字に転落する見通しとなった。ブライアン・ウェスト最高財務責任者(CFO)が23日、明らかにした。小型機「737MAX」や中型機「787」の納入機数が減るためだ。同日の株価は前日比7.6%下落した。

金融情報サービスS&PキャピタルIQによると、市場は24年のボーイングのFCFが12億6700万ドル(約2000億円)になると予想していた。だが、ウェスト氏は23日、一転して赤字になるとの見通しを示した。

年後半には黒字に持ち直すが、1〜6月の赤字幅が大きく、通年では21年以来の赤字になりそうだ。

ボーイングの小型機「737MAX」は24年1月、米国上空を飛行中に事故を起こし、製造品質を改善するために減産している。

加えて、中国向けの「737MAX」を巡り、中国航空安全当局が操縦席のボイスレコーダーの電池を調査しているため出荷を一時停止したという。このほか、中型機「787」では検査不備が発覚し、生産が停滞した。

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