目次

  • EU ロシア中銀の凍結資産の利子 5000億円をウクライナ支援へ

  • ロシア国防省 “戦術核兵器の部隊 軍事演習を開始”

ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月21日の動き)

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EU ロシア中銀の凍結資産の利子 5000億円をウクライナ支援へ

EU(ヨーロッパ連合)域内では、およそ2100億ユーロ、日本円で35兆円を超えるロシア中央銀行の資産が凍結され、利子から年間30億ユーロ程度、日本円でおよそ5000億円の収益が生じると見込まれています。

EUは早ければことし7月からこの収益の90%をウクライナへの軍事支援に、残り10%をウクライナの復興などに活用する考えです。

合意に先立ち、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「そのような決定をしたり活用したりした人たちは非常に深刻な法的コストがかかることになる」と述べ、強く反発しています。

凍結したロシアの資産をめぐっては、アメリカでは資産そのものを没収し、ウクライナ支援に活用することを可能にする法律が成立していますが、実施についてはG7=主要7か国やEUなどと連携すべきだとしています。

ウクライナのクレバ外相は21日、キーウを訪問したドイツのベアボック外相との記者会見でEUの合意に謝意を示した上で「資産そのものを没収するべきだ」と呼びかけました。これに対し、ベアボック外相は「資産の没収は、多くのものを危険にさらす恐れがあり、ドイツとしては大きく踏み出すことはしない立場だ」と応じ、慎重な姿勢を示しています。

ロシア国防省 “戦術核兵器の部隊 軍事演習を開始”

ロシア国防省は、21日、プーチン大統領の指示に従い、戦術核兵器を扱う部隊による軍事演習を開始したと発表し、映像を公開しました。

演習はウクライナへの軍事侵攻の出撃拠点となっているロシアの南部軍管区で行われ、核弾頭の搭載が可能な短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や、極超音速ミサイルだとする「キンジャール」などの兵器を運用する部隊が行っていて、国防省は演習の第1段階が始まったとしています。

ロシア国防省は今月6日に、今回の演習のねらいについて「西側当局者の挑発的な発言や脅迫に対し、ロシアの領土一体性と主権を確保するためだ」などと主張していました。

また、プーチン大統領も今月9日、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領と会談して、演習について話し合ったと明らかにしたうえで、「演習は3段階で実施される。ベラルーシは第2段階でわれわれの行動に参加する」などと述べ、ロシアの戦術核兵器の配備を進めているとされるベラルーシも参加する予定だとしています。

ロシアとしては、戦術核兵器の使用を想定した演習を行って核戦力を誇示し、ウクライナへの軍事支援を行う欧米側を強くけん制するねらいとみられます。

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