トランプ氏(左)とバイデン氏は政治資金集めを競っている=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】11月の米大統領選で、共和党の候補指名が確定したトランプ前大統領陣営の4月の集金額が民主党のバイデン大統領陣営を初めて上回った。両陣営の発表で明らかになった。

全米で長丁場の選挙戦を展開する大統領選は、広告費などに巨額の選挙資金が必要だ。資金力が選挙の行方を左右しかねない。

バイデン陣営は20日、民主党全国委員会と共同で集めた4月の政治資金が約5100万ドル(約80億円)だったと発表した。3月の集金額約9000万ドルから大幅に減った。

トランプ陣営は同日の声明で、共和党全国委員会との4月の共同集金額がバイデン陣営側を大きく上回ったと強調した。具体的な額は示さなかったが、米メディアによると約7600万ドルだったと大口献金者らに伝えたという。

トランプ陣営は4月初めに南部フロリダ州で著名投資家が主催した資金集め集会で約5050万ドルを集めたと発表している。これが集金額を押し上げたとみられる。

バイデン陣営は声明で「トランプ陣営は億万長者の献金者の取り込みに集中しているが、我々の集金は大半が草の根のネットワークの力と耐久力に支えられている」と強調した。

トランプ陣営も「いかさまジョー・バイデンを支持するのはハリウッドの億万長者だけになっているが、彼らさえも献金をやめたようだ」と反撃し、献金の多くは小口だったと主張した。

両陣営は党と共同で集金活動を実施し、集めた資金の一部を選挙活動の主体である選対本部に回している。選対本部の手持ち資金はバイデン氏が引き続きトランプ氏を上回っている。

連邦選挙委員会(FEC)への報告によると、バイデン選対の4月の収入は約2400万ドルで、4月末の手持ち資金は約8450万ドルだった。同月のトランプ選対の収入は約940万ドルで、同月末の手持ち資金は約4900万ドルとなった。

4件の刑事裁判を抱えるトランプ氏は、裁判費用が依然として負担となっている。主に訴訟費用の調達に使っている政治団体「アメリカを救え」が4月に支出した法律関連費用は約330万ドルだった。

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