【北京=共同】中国に2019年に一時帰国しスパイ容疑で拘束された北海道教育大の袁克勤・元教授が、反スパイ法違反の罪で懲役6年の実刑判決を受けていたことが14日分かった。関係筋が明らかにした。
習近平(シー・ジンピン)指導部が反スパイ法改正などで「スパイ」の取り締まりを強化する中、中国駐在の日本人のほか、日本の教育機関で研究活動に携わる中国人の拘束が相次いでいる。
最近では神戸学院大の胡士雲教授が昨年夏に中国に一時帰国して消息不明になったことが今年3月に判明。亜細亜大の范雲濤教授は昨年2月に中国に一時帰国し、失踪したことが今年4月に明らかになった。
関係筋によると、吉林省長春市の中級人民法院(地裁)が今年1月末、実刑判決を下した。袁氏は判決を不服として上訴したとみられる。外務省の汪文斌副報道局長は14日の記者会見で「中国は法治国家であり、法に基づき事件は審理される」と語った。
袁氏は北海道教育大教授だった19年5月、母親の葬儀に参列するため帰国した後、連絡が取れなくなった。中国外務省は20年3月、中国当局がスパイ容疑で取り調べたところ、袁氏が容疑を認め、検察に送致されたと発表した。21年4月には、袁氏が起訴されたと明らかにした。
中国ではスパイ容疑での邦人拘束も相次いでおり、昨年3月に北京で拘束されたアステラス製薬の日本人男性社員について、中国当局は起訴するかどうかの審査を始めている。
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