拘束されたユーリー・クズネツォフ中将=ロシア国防省提供・AP

ロシアの連邦捜査委員会は14日、国防省人事総局長のユーリー・クズネツォフ中将を収賄容疑で拘束したと発表した。タス通信などが伝えた。家宅捜索で1億ルーブル(約1億7千万円)以上の現金や貴金属などが押収されたとしており、裁判所は勾留を認めた。

4月には軍の建設部門を担当していたイワノフ国防次官が国防省の契約に関連して多額の賄賂を受け取ったとして逮捕されたばかり。ウクライナ侵略が長期化する中、高官の逮捕が相次ぎ、省内の混乱が続いている。

クズネツォフ容疑者は2010年から、ウクライナ侵略開始後の23年にかけて、ロシア軍参謀本部で国家機密を保護する部局のトップとして勤務。昨年5月に人事総局長に任命された。

連邦捜査委員会によると、21〜23年の参謀本部での勤務時に便宜を図るのと引き換えに、民間部門の代表者から賄賂を受け取った疑いが持たれている。

12日には10年以上にわたり同省を率いてきたショイグ国防相が交代し、安全保障会議書記に異動すると発表された。イワノフ容疑者は、ショイグ氏が民間から引き抜いてきた部下だったことから、汚職事件の発覚が国防相交代の一因になったとの見方がある。

ショイグ氏の後任には経済畑のベロウソフ氏が起用されており、軍事支出の検証などを通じて、国防省内の立て直しが図られる可能性がある。

(共同)

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