【台北=龍元秀明】台湾電機大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の黄徳才・最高財務責任者(CFO)は14日、傘下にあるシャープの経営不振を巡り「黒字化を加速するため支援する」と語った。次世代通信や人工知能(AI)などの分野で協業を深める。
同日オンライン形式で開いた鴻海の2024年1〜3月期決算の記者会見で言及した。
黄氏は経営不振の要因に関し「この数年のパネル市況がよくなかった」と述べた。「2度の減損を経て、最悪の時期は過ぎ去った。今後は改善する」との見通しも示した。
鴻海経営トップの劉揚偉・董事長は14日の声明で「シャープは長期的なパートナーであるとともに、グループの重要な会社のひとつだ」と強調した。23年7月以降に毎月1週間ほど日本に滞在し、経営改革のためアドバイスしたとも明かした。
シャープが同日発表した経営再建策にも触れ「私もこれを支持している」と言明した。劉氏は「欧州出張のため」(鴻海)として、記者会見には出席しなかった。
鴻海は経営不振に陥ったシャープを16年に買収した。交渉を主導した創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は19年に鴻海経営トップの董事長を退任し、23年に董事(取締役)からも退いている。
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