Amazing Seasun Gamesが手掛ける近未来型SFメカアクション『Mecha BREAK』。PCおよび家庭用ゲーム機向けに2024年リリース予定の本作は、大災害後の地球を舞台に、広大な戦場で美麗なメカどうしの激しいバトルが楽しめる。開発に10年近くの歳月がかかっている本作は、昨年(2023年)末に正式にお披露目され、メカに対するこだわりと作り込まれた世界観がゲーム界隈で大きな反響を呼んだ。

 そんな本作では、3vs3、6vs6によるバトルのほか、最大60人による大規模戦闘が楽しめるマシュマークモードが登場。2024年4月26日~4月30日まで、マシュマークモードが初公開されるクローズドβテストが開催された。

 クローズドβテストに合わせて、6v6モードやマシュマークモードを体験できるオフラインイベントが開催されたので、実際に遊んで感じたふたつのモードの魅力と、Amazing Seasun GamesのCEOにしてプロデューサーであるクリス・クオック氏への合同インタビューの模様をお届けする。

 なお、『Mecha BREAK』のクローズドβは4月下旬にも開催予定。「我こそは!」という方は以下のサイトをチェックされたし。

※この記事はAmazing Seasun Gamesの提供でお届けしています。
会場では、『Mecha BREAK』へのこだわりぶりが感じられる設定資料などが展示。
イベントには、メディアのほか動画クリエイター、インフルエンサーたちの姿も。本作の期待度の高さがうかがえた。

味方との連携がカギを握る6vs6による戦闘。アクションは苦手な人にもやさしい作りに

 イベントでは、各モードでチーム対抗戦が開催。まずは、6vs6による対戦モードで実施。こちらは、作戦目標が異なる複数の中規模マップでの戦闘が楽しめるモードとなっており、今回は3ヵ所の拠点を奪い合うマップが舞台。占拠している拠点の数に応じてポイントが増えていき、敵機体を撃墜することでもポイントが加算。最終獲得ポイントが多いほうが勝利となる。

 拠点間の距離が長めなので、戦況を見ながら人員を配置していくのが本マップでのポイント。機体が大破すると復活するまでそこそこ時間がかかるので、味方がピンチの場合は即駆けつけるなど、チームワークも重要だ。今回の対抗戦ではボイスチャットが使用できたので、チームメンバーで随時戦況を報告しながら動けたのが大きく、筆者たちのチームは無事勝利を掴むことができた。

 操作した機体だが、筆者は今回初プレイであったため、主人公機となる龍淵(リュウエン)を選択。同機体は、連射力の高い射撃武器のENカノンによる遠距離攻撃、ハルバードと大型のシールドによる近距離攻撃を使い分けて戦うバランス型の機体。体力が尽きると、外装装甲をパージして高機動モードに換装。機動力が大幅に向上、その後、一定時間経過で通常モードに戻ることができる。

 遠近両方で活躍でき、体力がなくなっても高機動モードで逃げ回ることで大破も免れるので取り回しがよく、初プレイの筆者でも問題なく扱え、複数の機体の撃破に成功した。また、本作では相手を一定の間照準内に収めることでロックオンが可能。判定時間が長めに設定されている近接攻撃のパリィなどもありと、アクションゲームに慣れていない人への配慮も多分に存在する。わかりやすいシステムのもと、思うがままにメカを動かす楽しさを味わえるのは、本作ならではの魅力だと感じた

最大60名による大規模戦闘が楽しめるマシュマークモード

 続いて、本イベントの目玉とも言える、マシュマークモードでの対抗戦へ。こちらは、約256平方キロメートルにも及ぶ広大なマップを舞台に、6人1チーム、全10チームで競い合い、最後に生き残った1チームが勝利となるバトルロイヤルモードだ。

 マップ内に点在している物資(強化パーツなど)で自機を強化し、時間経過で安全エリアが縮小していくマップ内を移動しながらライバルチームを撃破していくのがおもな流れ。マップの中には強力なボス戦にも挑戦することができ、無事撃破すると貴重な物資が獲得可能だ。

画面写真はイメージです。マシュマークモードとは関係ありません(以下、同)。

 筆者たちはこれに目を付け、資源確保のため近くのボス戦に挑戦。だが、無事撃破はできたものの、想定以上に苦戦し、筆者を含む3機が撃墜されてしまった。強化パーツが手に入っても、人数が減ってしまっては圧倒的に不利。どんよりとした雰囲気がチームに流れたが、メンバーのひとりが、味方の機体を修復することが可能な施設を発見。再使用までに待機時間が必要なものの、ひとまずひとりは確実に修復できるとのことで、施設を利用して味方チームは3機から4機に。少しだけ戦力ダウンをカバーすることができた。

 その後、味方が撃墜されたら復活をくり返しつつ戦いを続けたが、最後の2チームまで残ったところで敗北となり、惜しくも2位となった。

 マシュマークでは味方の機体を復活させることはできるものの、それができる施設を探しに行く際にも、敵チームと遭遇する危険性がある。ひとりで探しているときに出会ってしまったら目も当てられないので、資源を探すとき、安全地帯に移動するとき、どんなときでもチーム全員で行動して動くことが何よりも重要だと実感した。

 なお、本モードは超大型マップでのマルチ対戦ゲームに対する挑戦ということもあり、クローズドβテストでプレイヤーのフィードバックに基づいて継続的に改善されるとのことだ。

プロデューサー・クリス・クオック氏合同インタビュー「もう少しカジュアルに、リラックスして遊べるPvEvPモードを制作しようと考えてマシュマークモードを作った」

 ここからは、Amazing Seasun GamesのCEOであり、本作のプロデューサーを務めるクリス・クオック氏への合同インタビューをお届けする。

会場でのクリス・クオック氏。

Kris Kwok(クリス・クオック)

Amazing Seasun Games CEO
『Mecha BREAK』チーフ・プロデューサー

――今回のオフラインイベント、そして4月26日から実施されたオンラインテストでは、マシュマークモードが体験できるのが目玉だと思います。改めて、こちらのモードの開発経緯を教えてください。

クリス本作では3vs3アリーナ、6v6戦場、マシュマークの3つのモードが存在しています。最初に作り上げたのは3vs3アリーナで、こちらではシンプルなチームバトルが展開されます。つぎに制作されたのは6v6戦場で、作戦目標が異なる中規模マップでの戦闘が楽しめます。ただ、こちらのモードに登場させるマップをふたつほど完成させたときに、少しハードコアなモードだと感じました。

 というのも、3vs3アリーナでは個人の力量が試されますが、6v6戦場では作戦目標ごとに行動を変える必要があり、そこにチームワークも求められるからです。プレイヤーどうしで戦闘を行いつつ、チームでコミュニケーションを取りながら戦略も練る必要ある。遊ぶにあたってのハードルが高い気がしました。過去に行ったプレイテストでも、本モードはハードコアなゲーマーでなければ継続して遊ぶのは難しいというフィードバックもありました。

 ですので、もう少しカジュアルに、リラックスして遊べるPvEvPモードを制作しようと考えました。

――マシュマークモードでボス戦が導入されている理由を教えてください。

クリスマシュマークモードは、6人×10チームの最大60人が広大なマップで戦うモードで、ほかのチームと戦うために、みずからを強化していく必要があります。強化パーツはマップ内でも拾えますが、ボス戦を実装し、倒すことでも得られるようにしています。そうしてボスを倒すという短期目標をくり返し達成していくことで、最後に勝ち残ったときの達成感を大いに味わえるのではないかと考えました。また、マップ内やボス戦で手に入れた強化パーツは持ち出すこともできます。たとえ途中で敗北しても戦果を得られるので、継続して遊んでもらえたらという意図もあります。

 なお、こちらのモードでは時間が経過するごとに生存可能エリアが狭まっていきます。ほかのチームとも出会いやすくなるので、それまでにどれだけ強い能力を身に付けているかが重要となります。狭まるエリアの中でもボス戦に挑戦できますが、そのあいだ、ほかのプレイヤーに狙われるリスクも高くなります。ですので、チームで結託して、早い段階で効率よく機体を強化しておくのがオススメです。

 ちなみに、本モードではボスのほか、特殊な攻撃目標を用意する可能性があります。たとえば戦艦など……。続報に期待していただければと思います。

――マシュマークモードでは、強化パーツなど手に入ったものは持ち出すことができるとのことですが、どのような手順を踏むことで持ち出せるのですか?

クリスマシュマークモードで手に入るアイテムには、マップの中で活用できるが外に持ち出せないものとマップの中で活用できないが外に持ち出した後に使えるものの2種類があります。後者はアイテムボックスのような形で、持ち出した後に開封することで、たとえば機体の強化パーツや色を変更する染色アイテムが手に入ります。

 これらのアイテムについては、それを所持したまま最後まで勝ち抜くか、運搬用のロケットに積んで発射させることで持ち出すことができます。ただ、運搬用のロケットに積めるアイテムの数は限られているので、なるべく数多くのアイテムを持ち出したい場合は、みずから所持した状態で最後まで勝ち抜くことが最善となります。

――もしプレイヤーがダウンした場合、所持していたアイテムは失われ、外に持ち出せなくなりますか?

クリスはい、アイテムはなくなります。ただ、ダウンしてしまっても、救済処置としてゲーム内の貨幣を使って持ち出せるようにするシステムの実装を検討しています。実際に実装するかは未定です

――本作に登場する機体には役割があり、ロボアクションゲームというよりは、ヒーローシューターゲームのように感じました。どのような経緯で、各機体に役割を持たせることにしたのでしょうか。

クリス本作の機体を考えるにあたって、各機体に特殊性を持たせようと考えました。その際、機体の構造のみで特殊性を作り上げるのも可能でしたが、無骨で冷たいゲームという印象になると思い、それぞれで人間のパイロットも設定することにしました。

 そして、人であればそれぞれで得意とする戦略も異なると思います。接近戦や狙撃など、自身に合った戦略で戦うはずです。戦場を戦い抜くには、各パイロットの特徴や役割を見定める必要あり、それを踏まえたチームワークによってバトルが展開されたほうがより楽しめるのではないかと考えました。

――各パイロットのビジュアルも魅力的ですが、彼らのビジュアルをデザインするにあたって大事にしたポイントなどがあればお聞かせください。

クリスパイロットは2種類存在します。自分自身でキャラメイクできるパイロットと、あらかじめゲーム内で用意されているパイロットですね。前者のカスタマイズ要素はたくさんご用意しています。プレイヤーが作り上げたパイロットは、すべての機体を操作できます。

 後者は各機体に設定されているパイロットで、ゲーム内貨幣を使ってアンロックしていくことになります。彼らのデザインについては、機体のビジュアルや配色に合わせて服装を作っています。

 各パイロットの設定については、本作の世界観に基づいて作り上げています。各機体とパイロットごとに濃密なストーリーが存在しています。そのストーリーに触れることで、なぜ各パイロットがそれぞれ機体を選んだのか、適合したのかなどを知ることができます。

――各パイロットのストーリーや設定を作り上げるにあたって大事にした点などがあればお聞かせください。

クリス私たちは『Mecha BREAK』を、人類が生命の価値について再考する物語として作りたいと考えています。そんな本作の世界観設定において、私たちは時間軸を現代の科学技術からそう遠くない未来に設定しました。同時に、設定にはEIC芯石――エネルギーと知能を融合したユニークな資源概念を導入しました。

 これにより、炭素基生命とシリコン基生命の共生テーマ、そしてそれに伴う各陣営間の衝突と対立が引き出されました。言うまでもなく、EIC芯石がもたらすすべての技術進化と人間とメカの位置付けは、私たちの世界観の概念を構成しています。

 そして、EIC芯石の存在により、人間の脳が直接機体の演算に参加し、ほかの乗り物を遥かに超える強大な戦力を機体に与え、通常の数倍の性能を発揮することが可能になります。これがいわゆる「自己の限界を突破する」ことです。

 EICの登場により、異なるメカのパイロットが自身の生命について異なる思考をすることになり、後続のストーリー展開設計においても、この点を中心に世界観と各パイロットのキャラクター設定を深め、プレイヤーに宇宙の壮大な背景の下での壮麗な叙事詩を提供する予定です。

――各機体やパイロットの物語を楽しめるモード、システムなどは存在するのでしょうか?

クリスいま計画中でして、たとえばロビーホールを作り、そこでアンロックしたパイロットたちを登場させ、対話することで彼らの物語を深く知ることができるようなシステムを実装できないか考えています。このシステムを実装する場合には、プレイヤーがゲーム内で戦果を挙げていくごとに、さまざまな価値観の話を聞けるようにしていきたいと思います。

――本作では、自機の撃墜時にパイロットがベイルアウト(※)するカットが入っており、細かな演出の丁寧さに驚きました。ロボットシューターで、ゲーム体験に直接関係しないパイロットの動きを描くことは稀だと思いますが、このようなこだわりには理由があるのでしょうか?

※戦闘不能となった機体から緊急脱出すること。

クリスよいメカゲームとは、プレイヤーに実際にメカを操縦しているような没入感を提供するゲームのことです。これを実現するためには、細部に気を配る必要があります。ですので、コクピットのビジュアルや、そこでの操縦シーンは徹底的にこだわりました。それを第三人称から見れるようにしているのは、バーチャルコクピットを表現したかったのが理由です。

――マシュマークモードを勝ち抜くにあたって、どのような行動を行うのか重要なのでしょうか?

クリスそれは、今後エリートプレイヤーによって答えが出されることでしょう。ですので、今回は私なりの考えをお答えします。

 私が遊ぶ場合、まずは敵を選ぶことが大事だと考えます。機体どうしに有利不利の相性が存在しているので、自身が有利となる機体を攻撃すると思います。

 後は、機体の攻撃手段を踏まえて立ち回ることも大切です。狙撃が得意な機体を操縦している場合、敵機体を狙い撃つことはたやすいですが、射撃の音で自身の居場所が気づかれる危険性があります。一方で、乱戦状態でしたら気付かれにくいので、積極的に攻撃してもよいでしょう。

 ほかには、自分より力量の高い相手と正面から戦うのではなく、仲間といっしょに迎撃することも重要ですよね。
 
 戦術が合理的で、行動するタイミングや対峙する相手がふさわしいか。これらが勝ち抜くために大事だと私は考えます。

――マシュマークモードのバランス調整はどのように行われますか?

クリス各機体には独自の戦術的位置付けがあります。以前のテスト状況を見てみると、プレイヤーは自身のメカへの理解と各種メカのチーム構成を基に、自分に合ったプレイスタイルを見つけることができていたようです。

 それを踏まえ、マシュマークモードでは、いくつかの通常のモードとは異なる機能を導入しています。本モードでは多くの拠点、一部の乗り物、さらにはボスを設計し、プレイヤー対プレイヤーの直接対決のプレッシャーを適度に緩和するために、いくつかのPvE要素の挑戦を加えました。

 そして、プレイヤーはこのPvEチャレンジを通じて、ゲーム内の成長を達成した後、徐々にほかのプレイヤーと対峙します。目的は、最終的なチーム戦に臨む前に、プレイヤーが各自の小隊での選択を通じて相応の成長を遂げることです。この点において、遊び心地など、私たちもプレイヤーからのフィードバックを楽しみにしています。

 また、すべてのモードにおいて、メカの性能に変更はありませんが、マシュマークモードでは戦闘能力を強化できるゲーム内アイテムが存在します。これにより、ひとつの機体に慣れたプレイヤーは、異なるモードを存分に楽しむことができます。私たちはプレイヤーにバランスのとれたメカを提供する自信がありますし、プレイヤーからのフィードバックにも密接に注意を払います。

――発売日は未定ですが、具体的なリリース時期は決まっていますか?

クリス現時点で具体的な日付をお知らせすることはできませんが、2024年中を目指しています。不定期のテストを通じてプレイヤーからのフィードバックを受け、準備が整ったときにプレイヤーに高品質なメカPVPゲームを提供することをお約束します。

――本作は対戦ゲームということで、eスポーツや競技シーンでの展開は想定されていますか?

クリス想定はしていますが、リリース最初期から大々的な展開を行うことはありません。ちなみに今後、ゲームの中で、プレイヤーがルールや報酬などを決めたバトルが行える機能をつけたいと考えています。

――最後に、本作を楽しみにしている日本のゲームファンへメッセージをお願いします。

クリス『Mecha BREAK』へのご支持と愛情を賜り、誠にありがとうございます。このご支持を力に変えて、今後の開発と制作に全力を尽くし、早期に質の高い『Mecha BREAK』を皆様のもとにお届けできるよう努めます。

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