総務省は25日、郵便料金制度の見直しを議論する有識者会議を開いた。機動的に料金改定できるように制度を見直すことなどを論点に盛り込んだ。今後、報告書のとりまとめに向けて議論し来夏の答申を目指す。
論点整理では郵便料金を機動的に変更できる制度への見直しを挙げた。現状では25グラム以下の定形封書は国が料金の上限を定め、値上げも事前の届け出が必要だ。改定手続きに時間がかかり、日本郵便にとって経営の自由を縛る足かせになっていた。
利用者保護の観点から、業務の効率化を徹底して不要な値上げを抑える仕組みも必要ではないかとした。
郵便料金の算定基準も論点となる。現行制度では料金について「適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むもの」としており、明確な算定基準がない。日本郵便はこれまでの聴取で物価や賃金の上昇率を反映するよう求めていた。論点整理では料金制度の見直しの方向性を踏まえて改めて検討するとした。
日本郵便は10月に消費増税時を除いて30年ぶりとなる郵便料金の値上げに踏み切ったが、収益状況は依然厳しい。総務省の試算によると、郵便事業は25年度には黒字になるものの、26年度以降は再び赤字に陥る見通しだ。
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