大和ハウス工業は19日、大阪府摂津市で2027年6月の完成を目指すタワーマンション(地上36階)の最高価格が数億円になるとの見通しを明らかにした。専有面積が約127平方メートルの最上階の住戸が最も高くなる。JR千里丘駅から歩行者用デッキで直結している利便性を売りにする。都心部のみならず郊外にも「億ション」が広がってきた。
大和ハウスやJR西日本不動産開発、フージャースコーポレーション、関電不動産開発が開発しているのは「プレミストタワー千里丘」。25年1月にモデルルームを開設し、3月から販売を開始する。周辺の商業施設と一体となった再開発に伴って建設している。
販売価格は未定だが、専有面積が70平方メートルの住戸で8000万円前後を計画しているという。最上階の最高価格は「1億円は確実に超え、数億円になる」(関係者)としている。周辺の分譲マンションと比較して高額になる見込みだが、摂津市など「北摂エリア」に住むファミリー層に加えて、地元の開業医や経営者などの需要を想定している。
大阪市内ではマンション価格が高騰している。不動産経済研究所によると大阪市内のマンション平均価格は10月に3749万円と前年同月比で24%高くなった。建築費の高騰を受けて郊外にもタワマンの高価格化の波が押し寄せている。プレミストタワー千里丘はJR千里丘駅から大阪の中心地まで約15分で交通の利便性も高い。
同日摂津市で記者会見した島田裕司・本店マンション事業部長は「市街地の再開発事業とタワマンの親和性は高い。これを皮切りに関西のマンション事業を強化したい」と話した。
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