柿安本店は16日、料亭の柿安銀座店(東京・中央)を全面改装して2025年春にオープンすると明らかにした。料亭業態を強化し、インバウンド(訪日外国人)需要などを取り込む。6月に示した中長期の成長に向けた8つの戦略の一環となる。
同日、東京都内で開いた決算説明会で赤塚保正社長が説明した。年末年始のかき入れ時が落ち着いてから改装に着手する。投資額は非公表。
同社の料亭では最高級の松阪牛をすき焼き、炭火あみ焼、しゃぶしゃぶなど多彩な調理法で提供している。レストラン事業の連結売上高に占める割合は1割未満だ。だが、拡大するインバウンド需要を取り込めれば伸びしろは大きいとみる。赤塚社長は「国内外のお客様に柿安の高級イメージをさらに発信する」と述べた。
2つある料亭業態のうち、柿安料亭本店(三重県桑名市)は23年3月に改装オープンしている。
同社は百貨店や大型ショッピングセンターで、精肉店のほか総菜店「柿安ダイニング」、和菓子店「口福堂」などを展開する。このうち売上高が最大の精肉事業は足元で振るわない。赤塚社長は「高級牛肉の在庫の問題が報道でも出ている」と指摘。消費者の節約志向が影響している可能性がある。
同社は12日、25年4月期の連結純利益が前期比21%減の11億円と、従来予想を3億円下回る見通しだと発表した。精肉事業の伸び悩みに加え、原材料・エネルギー価格の高止まりや人件費上昇も響く。
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