エイチ・アイ・エス(HIS)は13日、子会社が新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金(雇調金)を不正受給した疑いに関して、外部の弁護士・会計士で構成する特別調査委員会を設置したと発表した。グループ全体で受給した雇調金について調査するとともに、ガバナンス(企業統治)上の問題点の有無について検証し、再発防止策を提言する。
連結子会社の旅行会社、ナンバーワントラベル渋谷(東京・大田)が東京労働局から調査を受けている。2020年4月〜23年3月に雇調金を約1億円受給した。
HISはすでにグループ全体の雇調金についてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業に調査を依頼している。「不正受給をうかがわせる事実は発見されていないものの、その一部に不適正な受給が含まれている可能性がある」との報告を受けている。
グループ全体で同じ期間に受給した雇調金は284億円に上った。HISが約240億円、連結子会社24社は約44億円だった。
HISは特別調査委員会から調査報告書を受領次第、プライバシーの観点から非開示措置を施したうえで、速やかに公表するとした。13日の予定から延期している24年10月期の決算発表の時期は未定とした。
HISを巡っては、21年12月にも子会社2社で観光需要喚起策「Go To トラベル」の給付金の不正受給が発覚していた。
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