回転レーンを使ったサービスの企画などエンタメ力を強化する

くら寿司は11日、2025年10月期の連結営業利益が前期比12%減の50億円になる見通しだと発表した。客数は順調に伸びるものの、コメなど原材料高が収益を圧迫する。前期に不採算店舗の減損損失を計上した反動で、純利益は5%増の34億円と増益を確保する。

くら寿司の岡本浩之取締役は「コメなど原材料価格の上昇に加え、米国ではインフレ再燃の懸念があり、先行き不透明感は強い」と話した。「原価率を下げるために、商品設計やフェアメニューの構成を工夫する」とも強調した。

売上高は3%増の2430億円と過去最高を見込む。食べた皿の枚数などによって挑戦できる景品当てゲーム「ビッくらポン!」でのコラボなど、エンタメ性の向上に努める。このほど始めた回転レーンを使って誕生日ケーキなどを届けるサービスも集客につなげる。

決算記者会見に出席したくら寿司の岡本浩之取締役(11日、大阪市中央区)

同日発表した24年10月期の連結決算は、売上高が前の期比11%増の2349億円、純利益が約4倍の32億円だった。収益性が低い店舗における減損損失を17億円計上したことで、純利益は従来予想を3億円下回る結果となった。

24年10月期の年間配当は25年国際博覧会(大阪・関西万博)への出店を記念して前の期から20円上乗せの40円とした。25年10月期の年間配当予想は20円とした。

株主優待制度の廃止も発表した。海外の株主や機関投資家が優待を使う機会が少ないとして、公平な利益還元のあり方を考えたとした。25年4月30日を基準日とする優待から廃止する。

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