農林水産省が29日発表した2024年産米の1等米比率は、10月末時点で77.1%と平年並みの水準だった。新潟県や東北など東日本の主産地を中心に回復が鮮明で、渇水や猛暑が響いた前年同期の23年産(61.3%)を大きく上回った。
例年10月末時点の検査では年を通じた検査数量の7割程度の進捗となっており、その年の全体の傾向がみえてくる。過去5年間平均は75.6%。
地域別では、東日本の産地で高水準だった。東北6県は91.0%と前年の68.3%から改善した。新潟など北陸4県は82.0%と前年の37.1%を大きく上回った。降水量があったうえ、夜の気温が下がり、コメの品質向上に寄与した。高温耐性品種の導入が増えたほか、産地での高温対策が進んだことも奏功した。
一方で、西日本では高温やカメムシの影響が大きく1等米比率は低かった。九州7県は29.5%と前年の40.3%を下回り、全国で最低となった。
コメの等級向上は、安定供給につながる。23年産米は1等米比率が60.9%(3月末時点)で現行方式になった06年以降で最低だった。精米する際の歩留まりが低下し、コメの供給量低下を招いた。
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