ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く、折り曲げられるのが特徴で、建物の壁面などに設置できることから国土の狭い日本に適しているとされ、次世代の太陽電池として注目が高まっています。
このペロブスカイト太陽電池について政府は、発電にかかるコストを従来の太陽電池に近い水準まで引き下げ、2040年には、国内に、原発20基分に相当する20ギガワットまで普及させる目標案をまとめたことがわかりました。
政府は新しいエネルギー基本計画の2040年度の電源構成で、再生可能エネルギーを初めて最大の電源とするシナリオを示す方向で検討していて、ペロブスカイト太陽電池を再生可能エネルギーの柱の1つに位置づける方針です。
この太陽電池をめぐっては、中国やヨーロッパなどでも量産化を目指す動きが相次いでいて、政府は、日本メーカーの研究開発や量産体制の構築を支援し、目標の達成とともに輸出の拡大にもつなげていきたい考えです。
この案は、26日に開かれる政府とメーカーなどでつくる協議会に示され、正式に決定される見通しです。
太陽電池の開発に取り組む企業相次ぐ
再生可能エネルギーのさらなる拡大に向けて、期待が高まっているペロブスカイト太陽電池。
開発に取り組む企業が相次いでいます。
このうち、2018年に設立された京都大学発のスタートアップ企業が開発した太陽電池は発電効率が高く、室内の光でも発電が可能だと言います。
この会社がいま開発に取り組んでいるのが、7.5センチ四方の手のひらに収まるほどの小型の太陽電池です。
薄くて軽い特性を生かしてスマートフォンやセンサーなどの電源として活用することが想定されています。
このほか、大手企業とも共同開発を行っていて、
▽KDDIとは通信基地局に太陽電池を取り付けて発電する実験を行っているほか
▽トヨタとも電気自動車の屋根やボンネットに搭載できる太陽電池の開発を進めています。
実用化に向けては、長時間発電し続けることができる耐久性が課題だということで、この会社では、再来年の量産化を目指して開発を加速させています。
エネコートテクノロジーズの加藤尚哉社長は「目指しているのは、電気の地産地消で、薄くて軽くて曲がるので、設置できるエリアが飛躍的に広がる。生活に身近な場所で発電し、その場で電力を使う、そういった世界が実現できればいいなと思っている」と話していました。
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