セコムは8日、2025年3月期の連結純利益が前期比3%増の1046億円になる見通しだと発表した。従来予想(15%減の870億円)から176億円上回り、一転、過去最高益を更新する。米国などでの投資事業組合の運用が好調だったほか、体感治安の悪化などを受けて警備需要も堅調に推移している。

売上高は前期比3%増の1兆1924億円を見込む。投資事業組合の運用益は24年4〜9月期に195億円を計上し、前年同期の2.7倍になった。運用益は当初予想には織り込んでおらず、4〜9月期の実績を踏まえて通期でも利益押し上げ要因となる。

機材を設置し異常時に警備員が駆けつける機械警備が事業所・家庭向けともに好調に推移するなど、主力の警備の需要も底堅い。連続強盗事件の発生で体感治安が悪化していることなどを受け、国内での家庭向け機械警備の契約は25年3月期末時点で前期末比2%増の約162万件を見込む。警備サービスの一律値上げも寄与する。

セキュリティサービス事業のセグメント営業利益は警備員の賃上げなどで減るものの、従来予想から65億円上振れて減益幅が縮小する。

同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比3%増の5601億円、純利益が2%増の504億円だった。セキュリティサービス事業は賃上げで減益だったが、火災報知設備などが好調だった防災事業や投資運用益でカバーした。

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